前回、初級から中級に進んだ学生がぶち当たる壁や拒否反応について書きました。
学生が中級のテキスト見た時ってこんな感じかなとイラスト屋さんで絵を探していて思いました🤣
中級で躓くっていろんな原因があると思っています。今回は私が思う事例別に私がとっている対応をご紹介させていただきたいと思います。
①そもそも学習動機が初級で満たされる
前回の最後に書いた「初級の文法でも同じような意味が表せるではないか。」というタイプの学生です。
そう。基本的なコミュニケーションは初級の文法でもできます。例えば、前回紹介した『中級へ行こう』で最初に勉強する「〜といえば・・・だ」ですが、
「台湾の果物といえばマンゴーです。」は
「台湾の果物でマンゴーが有名です。」とか
「台湾のマンゴーは有名です。」でも「マンゴーが有名だ、名産だ」ということは伝わります。
が、日本語母語話者の方なら言語化できないけれど意味の違いがわかると思います。「〜といえば」を使った場合と、使わなかった場合の会話の盛り上がりも全然違うはずです。それは友達の作りやすさにも直結します。なので、
日本人と仲良くなりたい、いろいろ話したいなら
「〜といえば」を使った方がいいよ
と言っています。
実はこれは私自身の外国語学習の壁で、英語が好きで一生懸命勉強していたんですが、そもそも旅行で困らないぐらいの英語ができれば満足というタイプだったんです。
別に英語で政治や社会について話したいわけでもなく、
英語で話す友達がほしいわけでも仕事がしたいわけでもなく、
英語圏のドラマや映画も好きじゃない。
→英語は初級レベルで満足。
こういう私のようなタイプの人は学習動機が低いのでレベルアップは難しくなります。また、こういうタイプではなくても人の話を聞く派の人も同じように伸びにくくなると思います。
②母国語でも国語が嫌い、苦手
語学はその国の人々にとっては「国語」なので、自分の国の言葉の能力=その人の外国語能力と言われることがあります。
が、これは私は半信半疑で、国語力+論理的思考力ではないかと思っています。
ときどきいるのですが、読解の問題などで
「筆者の意見と合うのはどれか」という問いに対して
「私はこちらの意見の方が正しいと思う。」と自分がシンパシーを感じる選択肢を選ぶ学生がいます。何度問題はあなたの意見を聞いていないと言ってもなかなか納得しません。なので、
議論をしているイラストを見せたり描いたりします。
こんな絵を見せて、学生の名前をどちらかに書いて、筆者と反対に書きます。
「〜さんの意見はこうですよね?」と言いながら、吹き出しも書いて学生の意見と、選択肢の番号を書いたりします。
それから、「じゃあ、これを書いた人はどういう意見?」といらすとや吹き出しを指しながら聞いてみます。
母語話者にとっては当然でも、外国語で質問されると「誰の意見をいえばいいの?!」とパニックになる人もいるので、図で示したりして、問いに慣れさせるようにしています。
③読んでも話の流れが掴めない
中級の学習はほとんどが読解となるので、中文、長文が学習の中心です。で、
「読んでいるうちに忘れちゃう」というタイプの人もいます。
これも母語話者は「そんなことあるか!」と思うかもしれませんが、私も英語でよくなりました。
例えば、ハリーポッターを英語で読むという無謀なチャレンジを何度かしましたが、
ハリーが特急でホグワーツに向かう電車の場面を読んで、
ホグワーツに着いて、
その後の会話に「電車の中で・・・」みたいな会話があると、
「え!?電車の中で??そんなことあった???」となって電車の中のページがどこだったか戻りたいのに戻れなくなって、ギブアップ🤣
小説はあまりこうならない人が多いと思いますが(私はなるけどね…)、論説文はなりやすいです。
なので、これも段落ごとに重要なポイントをまとめながら一緒に読んでいくということが必要になります。
まとめ
今回は中級の主に読解や文法で学生がよく躓いていたり、質問したりすることをざっと書いてみました。自分の英語ポンコツぶりも披露しましたが🤣
じゃあ、中国語は上手になっているかというと中国語もポンコツです。。。でも、中国語は家族とのコミュニケーションに必須だし、言いたいことが言えなくてむずむずすることが多いので英語よりマシになる。はず。
聴解や会話についてはまた次回書いてみたいと思います。