上級レベルの文法について前回書いたので、
今回は聴解について書いてみたいと思います!
聴解の難しさ
聴解というのは外国語学習をする際も、教える際も、結構高いハードルになる項目ではないかと思っています。
というのも、「鍛えるのが難しい」と私は思うからです。
前回書いたように、私は文法が苦手なのですが🤣 、これはある程度の気合でカバーできるし、本人の意欲や母語の国語力に左右される部分なので、少なくとも初級レベル
ではほとんどの人がクリアできるはず。
ですが、聴解が苦手な人というのは初級の頃から苦手。
単純に聞こえた単語を書くというレベルならあまり差は出ないと思いますが、会話を聞いて会話の流れから答えを出すという問題は難しい人には難しいのです。
JLPTにあるタイプの問題
特にレベルを問わず学生が惑わされるのが、会話の中の指示語。
女:今日の晩御飯、どうする?
男:昨日は中華だったから、今日は和食がいいな。
女:和食なら、駅前のAがおいしいって。
男:じゃあ、そこにする?
女:あ!私昨日、友達からイタリア料理のレストランの割引券もらったんだ。
男:え!いいね。ここから近いし、そっちにしようか。
女:そうね。でも昼ごはんもピザを食べたよね?
男:そうだね。じゃあ、今日はやめよう。
こんな会話の後に、「2人は何を食べることにしましたか。」という質問が流れて、1、中華 2、和食 3、イタリア料理 4、フランス料理と選択肢が流れたり問題用紙に書かれていたりします。
この問題は会話の流れについていきつつ、「そこにする?」の「そこ」は和食店Aだと分からなければ答えられませんし、そのあとに出てくる「イタリア料理」の店にするのかしないのかまで聞き取れなければなりません。
JLPTにはこのタイプの問題が非常に多く、会話を追いかけられない学生がいます。
上級の聴解
学校によって違うとは思いますが、私が今まで働いていた学校では、筆記試験の点数さえ合格点であれば進級できるという学校が多く、聴解が苦手なまま上級クラスに進級してしまうことが多かったと思います。
もちろん、学生のニーズによるのですが、日本で仕事をしたり生活しようと思ったら、聴解が伸びないままというのは特に仕事においては難しくなると思います。
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これは、半分文法、半分聴解のようなテキストで、文法が得意な人にはとっつきやすいのではないかと思います。聴き取り部分も短文レベルなので、JLPTのような複雑な会話は出てきません。
まずはこれで聴解に対する苦手意識を払拭させます。
ある程度苦手意識克服できてきたなら、
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総まとめの聴解でしょうか。日本語の会話は会話独特の表現「〜ちゃった」「〜なきゃ」があるので、教科書で文法を勉強した人はこの独特の表現にも辟易とします。
総まとめはこの会話表現の練習も入っています。
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まとめ
日本語に限らず、外国語って勉強を始めてからある程度コミュニケーションが取れるようになってからが難しいところです。本人の意欲や周りの学習環境などにも影響されますし、上達したあと持続するのも容易ではありません。
自分自身、1つの外国語を極められたことがないので、中級以上の学習者は本当に尊敬します✨✨
次回はまた日本語の授業について私が思うことやおすすめの教材や授業の方法などをつらつら書かせていただきます!