日本語の授業中級についてざっと書いたので
今回は上級について書いてみようと思います。
ニーズも到達レベルもバラバラ
上級で難しいのは、ニーズも到達レベルもバラバラなところです。ある学生は仕事で日本語が必要なため、ある学生は趣味を極めたいため、ある学生は大学院に進学するため、と学生が勉強したい内容はバラバラになります。
学生の勉強したい内容がバラバラで困るのは、まず語彙です。
例えば、大学院へ進学する学生は研究に関する語彙が必要になります。「ゼミ」のような基礎語彙から「○○分析」のような専門語彙(教える方も分からない)まで語彙の範囲はかなり幅広いです。
が、このような語彙が仕事をするため、趣味を極めるためには必要ではないというのが上級レベルの難しさです。
仕事をする人は「庶務」「経理」のような部署名や「稟議」のような仕事で必要な語彙。
趣味の人は、その趣味の範囲の語彙。
さらに、「上級」と言っても中級の文法や語彙がほとんど定着していない学生がたまに入ってしまいます💦💦
分けられるならクラスを分けるべき
私の個人的な意見ですが、上級レベルはやはり、クラスを分けられるなら分けるべきだと思います。または、個人クラスができるなら個人クラスにしたほうがいいと思います。
ほとんどの学校ではその対応が難しいと思いますが、上級のクラスを担当するといつも、「あー、この人に合わせてあげたいな」と思う熱心な学生がいたりします。
大抵そういう学生は自分で目標や計画を立てて勉強できるので、教師のサポートもそこまで必要ではなかったりしますが、歯がゆい思いをする先生は少なくないのではないでしょうか。
妥協案として
じゃあ、どうしているのかというと、私はやはり、JLPTを基準に授業をすることが多いです。N2〜N1ぐらいのレベルの文法や語彙、聴解を(学校からの指定がなければ)したり、N1の長文ぐらいの文章をみんなで読んだりします。
それぞれのニーズは個別に指示をしたり、相談に応じたりという形になってしまいます。
日本で学習している、上級レベルまで到達している学生の場合は、学校の外で日本人の友達や相談相手を見つけていることが多いので、あまり心配はいらないかなと思います。
難しいのは、海外で学習する学習者で、上級レベルまで到達した学生だと思います。現地に日本人の友達や相談相手がいるケースが少なく、でも日本へ留学に行ったり仕事で行くことが難しいという学習者。
台湾にはこういう学習者が本当に多いと思いますし、これから私が取り組むべき課題かなとも思います。