初級の授業の流れや私が個人的に注意していることなどを書いたので、
今回は中級について書いてみたいと思います。
中級の壁
まずは中級に入った途端に学生に衝撃を与える「中級の壁」について。
自分自身の語学学習を振り返っても、学習者がこの壁にぶち当たって乗り越えられない気持ちは本当に骨身に染みてよく分かります。
なんなのかというと、「一応初級の文法で簡単なやりとりはできる状態になっていること」です。
これが中級の壁を生む最大の要因だと考えています。
私は日本語教師のくせに、英語も中国語も文法が本当に嫌いで苦手です🤣🤣
「前置詞が〜」「方向補語が〜」と言われると、頭が痛くなるし、途端に勉強したくなくなるタイプ。
で、日本語の中級も、初級の基礎をおさえた上で、「この文型の前に来る動詞は意向形で、動詞は無意志動詞ですよ。」なんて説明をしたりします。
はー。何それ?と私が学習者なら思ってしまいます。個人的にはこういうのは「説明」ではなく「文法分析」だと思っています。先生も文法用語を並べて満足♪♪
私なら、こういう説明、もとし文法分析結果の発表しかしない先生に教えて欲しくありません。
突然現れる長文
問題は文法だけではありません。初級ではみられなかった長文が突然学習者の目の前に現れるのです。落ち着いて一文、一文を読めば、当然意味はわかるのですが、人間「すっと目に入って理解できない情報は苦痛」ですよね。
職業上、日本語の文ばかり見ているので、たまに英文の文書を見ると、「目が、目が痛い〜(T . T)」となります。落ち着いて読めば、60%ぐらい理解できると思うのですが、心が拒否しているので、内容が頭に入ってきません。
なので、中級の最初の授業では、学習者と一緒に「教科書を見てみましょう。」と言って、一緒に教科書を開けて
「うわ〜〜〜!!長いですね。何これ〜!」と私自身がオーバーにショックを受けてみせます。効果があるかは分かりませんが😅
生まれるブリッジ教材
あまりにも学習者が激しく壁にぶち当たるので、「ブリッジ教材」と呼ばれる教材が開発されるようになりました。
中級へ行こう第2版 日本語の文型と表現55 [ 平井悦子 ] 価格:2,420円 |
有名なのは、「中級へ行こう」。字のサイズも大きめで、300字前後(?)の短い文章が本文です。学習文型が太字になっていて、その文型の練習もあります。どれも難しくない練習なので、後半の課になると練習を追加してあげた方がいいクラスもあります。
まとめ
今はほとんどの学校で「中級の壁」に対応するブリッジ教材が使われていたり、初級の後半ぐらいから読解の問題を解かせ始めたりしていると思います。
壁にぶち当たって学習が止まってしまうタイプの学生もいますが、ほとんどの学生は衝撃を受けつつも2ヶ月ぐらいすると慣れることが多いようです。
また、「中級の文型は初級の文型と意味が大体同じ」ということを指摘する学習者もいます。次回はその辺りを書いてみようと思います。