前回、中国の大学で日本語教師デビューを果たしたお話を書きました。
2年半、中国で仕事をする中で、大学院進学を決意することになり、帰国後に大学院試験を受けて進学しました。
今日はなぜ進学することを決めたのか書きたいと思います。
最初に就職した理由
もともと、大学院進学は「仕事を安定させるために」いく必要があると思ってはいました。
ただ、「研究」をするのが大学院なのであって、「就職」のためではない(就職のためにはなるけど)と思っていて、でも、それほど研究したいテーマがない状態だったので、中国でまずは教壇に立ってみようと思いました。
文系の大学院
理系と違って、文系の大学院は論文に科学的根拠を付けにくいというのが研究の世界に挑戦を躊躇わせていたんだと思います。
実はこれは今でもあって、日本語教育の場合、研究対象が「人」になることが多く、
「対象が変われば結果が変わる」というツッコミが避けられません。
じゃあ、研究する意味あるのか?と思ってしまうわけです。
理系のように計算をしたり、実験をしたり、数値化しにくい。
無理矢理アンケートなんかの結果を数値化しても、「アンケートを取る地域を変えたら結果が変わる」とか言われてしまう。
先輩や同僚の意見
そんなこともあって、中国で大学院を修了した先輩や同僚にモヤモヤしていることをぶつけてみたことがあります。
が、日本語の先生なのに自分の思っていることを言語化するのがちょっと苦手なので、理解してもらえませんでした。
学生の悩み
研究テーマも見つからないまま、ただ毎日授業をこなす中で、4年生の学生と食事をしてから話す機会がありました。
その学生は日本へ1年間の交換留学へ行き、帰国したばかりでした。
日本語はかなり上手で、都会で就職も決まっているとこのことで、前途揚々だなぁと思っていたら、こんな悩みを打ち明けました。
「日本人がどのぐらい自分の話をわかってくれているか不安になったことがある」
前述した通り、かなり上手な学生。
どうしてそう思うのか聞いてみると、
「母国語のように相手と話が続かないし、相手が楽しんでいる気がしない。」と。
言語を勉強したことがある人なら感じたことがあるんじゃないでしょうか。
テーマを定める
その学生の話から、外国語でのコミュニケーションが難しいのはなぜなんだろうと考えていきました。
大学のゼミや授業でお世話になった先生にもいろいろ相談して、似たような研究をしている先生の論文を拝読しました。
できるだけ客観的になるように、データの取り方、分析の方法を論文ごとにまとめていきました。
そして、やっと研究のテーマを定めることができ、大学院入試の準備に取り掛かりました。
次回は大学院の生活や経験を書いてみたいと思います。