前回、上級の授業でぶち当たった壁についてちょこっと書きました。
今回は文法について書いてみたいと思います。
文法は、おそらくどの教育機関でもJLPTN1またはN2あたりのテキストを使っているのではないでしょうか。
私が今まで働いた学校もそうだったので、違う学校で仕事をしてもテキストが被っていることがよくあります。N2辺りまでは、学習者も勉強した実感が湧きやすいと思いますが、問題はN1。
学生もそのレベルになると、学校外に友達や知り合いができます。
そして、「日本語学校でどんなこと勉強してるの?」という会話になります。学生が「これ!」と差し出したテキストを見せたら、日本語教師じゃない日本人は十中八九
「こんな日本語使わないよー🤣🤣🤣 」と学生に言います。
中にはそれを聞いて「騙された💢 」と勉強の意欲をなくしてしまう学生も。。。
勉強を続ける、続けないはもちろん本人の意志なので、日本人の話を聞いて勉強をやめても構いません。ただ、声を大にして言いたいことは、
「それでも日本人はN1の文法を勉強しなくても意味を理解して使える。でも、学習者はそうではない。」ということ。
N1の文法を見て嘲笑した日本人も、「こんな文法使わないよ。」と言っている時点で文法の意味や使う場所、使う相手、使う場面がきっちり想像できていて、その上で「外国人はそんな場所、相手、場面に遭遇しないだろう。」と思って言っているのです。
いくら使わないと言っても、それは理解しなくていい、勉強しなくていいというわけではありません。いつ必要な場面になるか分からない、必要になった時に勉強する時間があるかどうか分からないのです。
こういうと、「でも勉強しても忘れちゃう」という人もいますが、1度覚えたことをもう一度繰り返す場合と、1から学ぶことでは学習スピードが違います。
勉強できる時に、1度勉強しておくことは大事だという話をN1のクラスではよくします。
と、ここまで書いておいてなんですが、
「上級の文法」がN1を基準にしたままでいいのかなぁというのも時々思います。