日本語教師になる方法は以前にも書かせていただきましたが、大まかに
①大学で専攻、副専攻で学ぶ
②日本語教師養成講座に通う
③日本語教育能力検定試験に合格する
という3つの方法があります。求人にも主にこの3つが載っていると思います。
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今回は教師になったあと、どんなレベルの人にどんなふうに教えているのか、具体的に書いてみたいと思います。今日は主に使われる教科書をご紹介します。
ゼロ初級
実は「初級」と言ってもいわゆる「ゼロ初級」と呼ばれるケースと一般的に「初級」と呼ばれるケースがあります。
ゼロ初級とは、その名の通り日本語学習に関してゼロからスタート。
ひらがな、カタカナからスタートするクラスを指します。
ひらがな、カタカナは日本の子どもに教えるように、書き順、発音を私は教えています。
先生が学生に背を向けて、空中で何度かひらがなを書いたり、点線の入ったマス目を用意して書かせたりします。会話はもちろんできないので、ほぼジェスチャーと単語レベルの英語を使います。
ひらがなを覚えたら
ほとんどの初級テキストにはひらがなを教える、学ぶページはなく、教科書の巻末に50音表が載っているだけだったりします。なので、留学生の場合はひらがなは国で覚えてきてねというスタンスの学校がほとんどです。
ひらがなを覚えた学生たちは初級のテキストにそって日本語を学びます。
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世界中で使われているであろう「みんなの日本語」
1課を半分に分けて2日で教える学校がほとんどだと思います。
この教材のメリットは、世界中で使われているので、各国語の文法解説書が出ている、問題集や読解、聴解の教材が充実しているところです。教案もネットなどで出回っているので、初心者の先生も安心です。
デメリットとしては、とにかく語彙が多い。ほとんどの学生は最初の10課ぐらいまではくらいついてきますが、だんだん語彙を覚えることに挫折します。
学生に負担を感じさせずにいかに語彙を定着させるかが先生のスキルになります。
非漢字圏向けテキスト
以前は漢字圏(中国、韓国、香港、台湾)と呼ばれる国々の学習者が一般的でしたが、最近はそうではない国の学習者が増えてきました。そして生まれたのがこちらのテキスト。
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ひらがなで書かれているテキストで、語彙もかなり絞られているようです。実際に使ったことがないのでメリットとデメリットを挙げることはできませんが、教室に非漢字圏の学習者の方が多いという場合はいいかもしれません。
中間層向け?
みんなの日本語は難しいからもう少しだけ易しいテキストがいいという場合。
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「大地」というテキストです。シンプルなデザインで分かりやすく書かれています。みんなの日本語と同じく、問題集、聴解、漢字の教材があります。読解はありません。
文法の解説書は英語、韓国語、中国語、ベトナム語が出ています。
デメリットとしては、ちょっとお値段が高いこと。学習者というより先生側なのですが、活用の導入順番がみんなの日本語と違います。
みんなの日本語が、ます形→動詞のグループ分け+て形なのに対し、
大地はます形→動詞のグループ分け+辞書形→て形
です。
まとめ
初級で使われるテキストは主にご紹介した3つではないかと思います。テキストというのはどんなものでも一長一短あるものなので、あとは教師の工夫次第だと思います。次回は授業の流れや私が個人的に工夫している点などをご紹介したいと思います。